立春 第二候 黄鶯眼睆(うぐいすなく)

暦は一巡し、立春となりました。

時折、柔らかい風とともに届く清々しい梅の香りに、春の訪れを待ち焦がれる日々です。

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さて、今年度の長崎大会の初日に行われる、

大会キーノートレクチャーのご案内を申し上げます。

今年度は、大会長の一川誠先生のご登壇に続きまして、

長崎大会実行委員長の細井浩志先生のお二人によるレクチャーが予定されています。

まず、一川誠会長のキーノートレクチャーについてのご案内です。

恐怖を感じた時などにスローモーションで物事が展開するように見える現象の基礎について、学生と調べた実験研究成果について紹介します。なお、今年度はISST理事の参加もございますので、英語での発表となります。

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キーノートレクチャー2020 長崎大会
発表者:一川誠(日本時間学会会長・千葉大学教授)
タイトル:恐怖の瞬間,心的時間の流れはゆっくりになるのか?:「タキサイキア現象」についての心理物理学的検討

交通事故などで強い恐怖感情が生じた際,目の前の自体がスローモーションのように展開しているように感じるという報告がしばしばなされる.これは「タキサイキア」と呼ばれる心的現象である.こうした「スローモーショの知覚」が生じている時,視覚処理の時間的精度の上昇が生じていることが期待されてきた.ただし,大胆な方法でこの問題を検討した先行研究は,こうした「スローモーション知覚」は強い感情の喚起に基づく記憶の精緻化によるもので,視覚処理の時間的精度の上昇は生じないと主張された.私たちの研究グループでは,より精確な測定が可能な心理物理学的な方法を用いて,感情や注意の喚起によって視覚処理の時間的精度が上昇するのか検討してきた.これまで得られた実験では,強い感情や内発的注意の喚起によって,視覚処理の時間精度が向上することが示されてきている.最新の実験結果を紹介するとともに,その基礎にある過程や,こうした現象が持つ潜在的可能性について英語で解説する.

略歴:
1994年大阪市立大学文学研究科後期博士課程修了.博士(文学).学術振興会特別研究員(1994-1995),York UniversityでのPostdoctoral Fellow(1995-1997),山口大学工学部講師・助教授(1997-2006),千葉大学文学部助教授・准教授(2006-2013)を経て,現在,千葉大学人文科学研究院教授.山口大学時間学研究所客員教授.人間の知覚認知過程や感性の特性についての実験心理学的研究に従事.日本心理学会,日本基礎心理学会,日本視覚学会,日本感性工学会,日本認知心理学会,日本時間学会,日本写真学会,Vision Sciences Society,Association for Research in Vision and Ophthalmology各会員.2016年より日本時間学会会長.

 

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Keynote lecture 2020 Nagasaki
by Makoto Ichikawa (President of The Japanese Society for Time Studies)

Title:Does time really slow down during a frightening experience?

:a psychophysical study for tachypsychia phenomenon.

Abstract :

The strong frightening emotion is often described in anecdotal reports, which imply that subjective time slows during life-threatening situations, such as car accidents. This slowing down experience is called “tachypsychia phenomenon“. One may expect that the temporal acuity of the visual processing is improved by strong emotion. However, a previous study with a concise methodology claims that the time-slowing in terms of strong emotion is caused not by improvement of temporal acuity of the visual processing, but by the increment of recalled events based on strong emotion. We conducted several experiments to examine whether temporal acuity is improved due to strong emotion evoked by viewing a picture, or endogenous attention evoked by cue presentation, by the use of orthodox psychophysical methods. Our results suggest that the minimum duration with which observer could notice the image change in viewing a picture was improved by strong emotion and endogenous attention. We will discuss the basis for improvement of the temporal acuity in visual processing.

 

Profile:

Makoto Ichikawa is a professor, Department of Psychology at Chiba University, Japan. He received his Ph. D. in psychology from Osaka City University in 1994. He worked as a postdoctoral research fellow at Centre for Vision Research, York Univerisity, Canada (1995-1997), and faculty of Engineering, Yamaguchi University, Japan (1997-2006). He has been a visiting professor at Research Institute of Time Study, Yamaguchi University, Japan (2011-present). His areas of interest include spatial and temporal aspect of human perception, cross modal processing in perception and cognition, and plasticity in perception and cognition. He is a member of Japanese Psychological Association, Japanese Psychonomic Society, Vision Society of Japan, Japan Society of Kansei Engineering, Japanese Society for Cognitive Psychology, Japanese Society for Time Studies, Society of Photographic Scieence and Technology of Japan, Vision Sciences Society,and Association for Research in Vision and Ophthalmology. He has been a president of The Japanese Society for Time Studies since 2016.

 

皆さまのご参加を期待しています!

立冬 第五十七候 金盞香(きんせんかさく)

晴天に恵まれ、美しかった秋も峠を越え、冬紅葉の頃となりました。

街路樹に落ち葉が積もる様には、遠くない冬の訪れを感じます。

 

さて、来年度の長崎大会のスケジュールが出来ましたのでご報告致します。

詳細は追って逐次発表致します。

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2020年(令和2年)度 日本時間学会第12回大会(長崎大会)

会場:活水女子大学・東山手キャンパス(長崎市東山手町1-50)

6/12(金)

14:00 受付

開会

キーノートレクチャー

ポスターセッションI

16:00 合同理事会

6/13(土)

9:00~11:30  セッション Ⅰ

11:30      理事会

13:00      総会

14:30      時間学公開学術シンポジウム

18:30      情報交換会(長崎市中華街)

6/14(日)

9:30       礼拝

10:00       ISST パネル

12:00       昼食

13:00      セッションⅡ

14:30      ポスターセッションⅡ

コーヒーブレイク

15:00      セッションⅢ

16:30      閉会

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皆さまの参加を心よりお待ち申し上げます。

 霜降 第五十三候 霎時施(こさめときどきふる)
10月最後の日を迎え、いよいよ秋本番。学内の樹々も色彩付き始めています。
さて、学会の企業・団体会員でもある、(株)日本能率協会マネジメントセンター・時間デザイン研究所の張社長と、学会長の一川誠のトークイベントのご案内です。
この催しは、NOLTY/能率手帳の70周年を記念して行われます。
ご近隣の方、是非お誘いあわせのうえ、ご参加ください。
イベントの概要はこちらから↓
           【クロストーク】
これからの時代の「時間デザイン」-管理する時間から、デザインする時間へ(事前申込制)
開催日時:11月3日(日) 15:30~16:20
場所:銀座 伊東屋 本店 G.Itoya10F HandShake Lounge
登壇者:千葉大学大学院人文科学研究院 教授 一川 誠氏、
日本能率協会マネジメントセンター 代表取締役社長 張 士洛
時間管理のツールとして誕生した「能率手帳」。
高度経済成長を支える当時のビジネスパーソンたちは、
緻密な時間管理によって、生産性を上げることが重視されてきました。
そして今日、人々の価値観は多様化し、自分らしく豊かな時間を過ごすことが大切な時代になっています。
今回のセッションでは、時間学研究の第一人者、千葉大学の一川教授と弊社社長・張によるクロストークを展開。
「心で感じる時間の不思議」に迫りつつ、豊かな時間を過ごすためのヒントを探っていきます。
—千葉大学大学院人文科学研究院 教授 一川 誠 氏—
「時間の使い方」を科学する (PHP新書)、 大人の時間はなぜ短いか(集英社新書)、など、著書多数。
小学校高学年の国語の教科書への寄稿も。
人気TV番組「チコちゃんに叱られる」にも出演するなど、わが国における心の時間研究をリードする存在。

日本心理学会様からの論文の公募につき、下記の通りお知らせいたします。

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公益社団法人 日本心理学会

機関誌 Japanese Psychological Research (JPR) 特集号論文

 

“Narrative Based Research and Practice in Psychology”

(心理学におけるナラティヴ実践研究)一般公募

 

この特集号は,心理学における研究と実践におけるナラティヴ思考モードを探求するものです。

ナラティヴ研究はナラティヴ医学や,心理社会的支援,心理療法に限らず,広いテーマを包含します。

人の発達,アイデンティティ形成,キャリヤ発達,世代継承,高齢者の回想におけるライフストーリー研究はもちろん,

生活の様々な現場において試みられている質的研究,さらに当事者研究などが話題を集めています。

この特集は,心理学におけるナラティヴ実践研究のすべてのタイプの研究を広く求めるものです。

またナラティヴの視点に関わる方法論の体系的な展望や概説なども歓迎 します。

 

掲載予定号:Japanese Psychological Research, Vol.63, No.2(2021年4月号)

投稿締切:2020年 4月30日(木)

編集者:森岡 正芳(立命館大学)・野村 晴夫(大阪大学)

特集号の詳細については,以下をご参照ください。

https://psych.or.jp/publication/jpr11/

なお,JPRは,季刊(年4冊,1,4,7,10月)で1年1巻とし,Original,Brief

Report,Review の欄があります。

JPRには,会員・非会員を問わずどなたでもご投稿いただくことができ,掲載料

は不要です。

オンライン上(Wiley Online Library)での公開も行っており,全論文がフリー

アクセスとなっておりますので,どなたでも無料(2019年8月現在)でご覧いただけ

ます。

 

日本心理学会ホームページhttp://www.psych.or.jp/

JPR電子投稿システムhttps://jpa.iap-jp.org/jpr/

Wiley Online Libraryhttps://onlinelibrary.wiley.com/journal/14685884

 

秋分 第四十七候 蟄虫培戸(むしかくれてとをふさぐ)

先週に引き続き、またもや日本列島に台風が近づいているようですが、
何とか無事に通過してくれることを願っています。

さて、学会員の杉原学先生から、北海道・千歳市での講演についてご案内がありましたのでお知らせいたします。

■令和元年度 こころの健康づくり講演会のご案内
日時:10月24日(木)18:30~
会場:千歳市総合福祉センター4F
講師:杉原学(哲学者・文筆家)
「自殺予防における人のつながりの再構築~時間論の視点から~」

https://www.city.chitose.lg.jp/docs/8477.html

実は、千歳市の担当者の方が自殺対策計画策定の際に、
杉原先生の論文を参考にして講演依頼があったそうです。

「論文は基本的に読んでもらえないものと思っていましたが、
思いがけず役立つこともあると知り、うれしくなりました。」(杉原氏)

学会誌「時間学研究」が研究者のみならず、行政の現場の職員の方にも読んで頂いているということは、事務局にとっても大変励みとなります。
「研究成果を社会に還元する」という学会の大きな目的のひとつがこのような形で実現しています。

お近くの方、ご興味のある方は是非ご参加ください!

学会事務局

秋分 第四十六候 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)

秋のお彼岸を過ぎ、残暑も落ち着いて秋らしいうろこ雲もみられるようになりました。今年の9月は相次いで大型台風にも見舞われ、各地で甚大な被害が出ました。被災された方々の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 

さて、来年度2020年6月開催の大会開催地と日程が決定しましたのでご報告致します。

 

・日時:2020年6月12日(金)~14日(日)

・場所:活水女子大学(長崎市東山手町1-50)

http://www.kwassui.ac.jp/university/access.html

・第12回大会実行委員長:細井浩志(活水女子大学教授)

・エントリー申し込み期限:2020年4月20日(月)事務局へメールで申請

・アブストラクト提出期限:2020年5月11日(月)

 

大会スケジュールの詳細につきましては、決定次第HPにて告知致します。

参加ご希望の方は、会員の方宛てに4月下旬に発送する大会参加ハガキにてお申込みください。

なお、第12回大会にはISST国際時間学会のメンバーによるパネルも提供されます。ご期待ください♬

学会事務局

立秋 第三十七候 涼風至(すずかぜいたる)

猛暑続きの毎日からは想像できませんが暦は立秋となりました。

週末からはお盆休みもスタートしますが、十分滋養を補給なさってください。

 

さて、学会員の安藤隆雄さんから、暦文協(日本カレンダー暦文化振興協会)の
講演会のご案内がありました。
日本時間学会の細井浩志理事も登壇されます。
お時間のある方は、是非ご参加ください。
2019年(令和元年)8月31日(土) 東京大学 弥生講堂 一条ホール
◇講演会・シンポジウム 13:00~(開場12:00)
 愛知学院大 教授 林 淳 氏 「渋川春海と貞享改暦  その社会的影響」
◇トークセッション  「貞享改暦と明治改暦」
◇総会・懇親会(会員のみ) 15:30~
暦文協のHPには まだ案内がでていませんが、メンバーのブログで
詳細がご覧になれます。
  suchowan’s blog
http://www.rekibunkyo.or.jp/news/20190731.html

大暑 第三十六候 大雨時行(たいうときどきにふる)

暑さは今がたけなわ。お昼の全国ニュースでも各地の最高気温が連日更新されています。この時期の雨といえば台風と集中豪雨。最近は温暖化のせいか、大雨どころかゲリラ豪雨が頻発しています。

皆様もくれぐれも体調管理に留意され、長い夏を乗り切りましょう。

さて、一川誠会長と、藤澤健太時間学研究所長のお二人が出演した、NHK・Eテレ、又吉直樹の「ヘウレーカ」が放送されます。

放送時間は、令和元年8月7日(水)午後10:00~10:45

「ボクの時間を増やせませんか?」というタイトルです。

是非ご覧ください!

番組ホームページはこちらから ↓

https://www4.nhk.or.jp/heureka/

 

【番 組 概 要】

もし1日が25時間になったら?読書や執筆、ネタ作りなどに充てられるともくろむ又吉。できることなら「時間」を増やしたい!この無理難題に応えようというのが山口大学時間学研究所・所長の藤沢健太さん。物理学のある考え方を応用すると時間が長くできるかもしれないという。さらに実験心理学者・一川誠さんも加わって“楽しい時間を長く”できるのかにも挑戦。「時よ止まれ。お前は美しい。」ああ、ゲーテの言葉が染みわたる!

【司会】又吉直樹

【解説】藤沢健太(山口大学時間学研究所長)

    一川誠(千葉大学教授)

【語り】吉村崇

小暑 第三十一候 温風至(あつかぜいたる)

梅雨雲の雲間から注ぐ日差しは日に日に強くなり吹く風も熱を帯びてきます。

本格的な夏到来を控え、梅雨明けが待ち遠しいです。

 

さて、2019年6月23日から28日に開催されました、ISSTロサンゼルス大会に参加して参りましたのでご報告申し上げます。

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2019年(令和元年)6月23日(日)、日本から参加した日本時間学会メンバー8名は会場となる、カリフォルニア州ロサンゼルスにある、Loyola Marymount University(LMU)Hannon Library に集合した。

今大会、The 17th Triennial Conference of the International Society for the Study of Timeには、一川誠会長(千葉大学)をはじめ、小山恵美理事(京都工芸繊維大学)長谷川貴之理事(足利大学)藤澤健太理事(山口大学)Ben Grafström理事(秋田大学)、会員の栗田香子(ポモナ大学)椿井真也(立命館大学)、平田博子(山口大学時間学研究所)が参加した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、Libraryロビーにおいて参加登録を済まし、事務局のTan Daniela先生と挨拶を交わし、顔見知りのTIMEJメンバーやRaji Steineck会長と握手をして再会を喜び合った。

続いて3Fのホールに用意されたオープニングレセプションでは、簡単な立食パーティの準備がなされ、グラス片手に参加者同士の初顔合わせの交流の場となり、各々自己紹介をしながら歓談が行われた。参加者がそれぞれリラックスした雰囲気になる頃、学会発表のメイン会場となる会議室へ移動するアナウンスののち、大会実行委員長・LMUPaul Harris先生の司会で大会開催が宣言された。まず、ISSTRaji Steineck会長の挨拶があり、続いてLMUTimothy Law Snyder学長によるレクチャーが行われた。

 

 

 

 

二日目からは本格的に学会発表が行われた。午後からは、旧知の仲であるチューリッヒ大学TIMEJメンバーによるセッションがあり、続いて日本時間学会のパネルの番となった。まず、座長のTan先生からパネルが紹介され、一川会長によるイントロダクションおよび日本時間学会の紹介のあと、登壇する3名のパネリストについて説明があった。トップバッターの長谷川貴之教授、続いて小山恵美教授、最後に藤澤健太教授による発表があったのだが、参加者は前のめりになりながら、熱心に聴いていた。発表する3名が時折、アドリブやジョークを交えながらレベルの高い研究内容を話す様子に、会場の参加者は大いに受けていた。主に文系を主体とした研究者が多いISSTの発表の中に於いて、日本時間学会のパネルのそれぞれの専門性や科学分野系の研究は特段光るものがあり、参加者からも大好評であった。

日本時間学会JSTSメンバーのアブストラクトはこちら↓

International Society for the Study of Time abstract


 

また、日本時間学会の発表時間に合わせて、セイコーホールディングス株式会社によるサポートを受けて作成したカンファレンス・バックを参加者全員に配布し、Coffee Break には、日本から持参したお饅頭とお煎餅を提供し、参加者からは大変喜ばれた。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、ISSTロサンゼルス大会の全体の報告書は、こちら ↓

 

ISSTロサンゼルス大会報告書(学会ニューズレター用)