小寒

第六十九候 雉始雊(きじはじめてなく)

一年で一番寒さの厳しい時期を迎える頃となりました。

 

さて、日本時間学会では、昨年から理事会に於いて議論を重ねて参りました、

サマータイム制度(Daylight Saving Time, 略称DST)の

日本における導入反対の理事会声明を正式発表し、一般公開しました。

【 ニュースリリース 】

日本時間学会(会長:一川誠千葉大学大学院人文科学研究院教授)は,1月10日に,いわゆる「サマータイム」制度(Daylight Saving Time,略称DST)の日本における導入に反対の理事会声明を発表しました.
サマータイム制度導入の議論
「サマータイム」については,2020年に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックの暑さ対策の一つとして導入が話題に上がりました.また,東京オリンピック・パラリンピックの時期だけの導入ではなく,その後も恒久的にサマータイム制を導入することも話題に上がりました.
サマータイム制度導入の検討の継続の見通し
結局,2018年11月開催の臨時国会では,十分な準備時間がないことを主な理由として,2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおけるサマータイム制の導入についての議論は見送られることになりました.しかしながら,経済成長のための方略として,今後も導入検討を続けたいとの主張を複数の政治家が表明しています.東京オリンピック・パラリンピック以後もサマータイム導入についての議論は続くものと考えられます.
日本におけるサマータイム制度導入には多くの問題があることの指摘
日本時間学会は,「社会的時間と人間的時間の調和」を推進するという学会の設立趣意から,日本における「サマータイム」制度の導入について検討し,さまざまな問題があることを見出してきました.そのため, 日本において「サマータイム」制度の導入をめぐる議論が今後も継続する動向であることを強く憂慮しています.
今回, 「サマータイム」制度の日本への導入における様々な問題を指摘し,それに対して反対する理事会声明を公表しました.声明では,「サマータイム」制度がどのようなものかを,すでに導入した国の例を挙げて説明した上で,その問題を,経済,社会,文化,心身に及ぼす影響から説明しています.さらに,期待される経済的,社会的効用が疑わしいことについても指摘しています.また,日本における「サマータイム」制度導入に前向きな議論の中に,この制度が江戸時代に用いられていた不定時法に近く,身体の時間的特性に向いているという声があることを考慮した上で, 「サマータイム」制度がかつての日本の不定時法とは大きく異なるもので,心身への負担がかつての不定時法や現在の定時法よりも極めて大きく,「社会的時間と人間的時間の調和」という視点からは,問題の多い制度であることを指摘しています.
この声明は,以下の日本時間学会のサイトで見ることができます.
http://timestudies.net/?page_id=1005
本件に関するお問い合わせ・取材のお申し込み
日本時間学会事務局 山口大学時間学研究所内

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