冬あたたかな気候に恵まれた12月27日、山口学芸大学・山口芸術短期大学において「第2回日本時間学会 山口芸大支部研究会」が無事に開催されました。
発表者の皆様の専門分野に基づいた多様な時間学のお話をお聞きできる大変充実した1日となりました。
発表を担当された先生方、企画運営に携わられた関係者の皆様、大変お疲れさまでございました。

発表要旨集(再掲)

【発表要旨集】第2回日本時間学会 山口芸大支部研究会

開催を終えて、学会理事の三池秀敏先生(山口学芸大学・山口芸術短期大学 学長)よりコメントを頂戴しましたのでご紹介いたします。

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日本時間学会の支援で、年末の山口芸大支部研究会も定着しつつあるように感じています。
私の元来のイメージは英国のM.ファラデーのクリスマス・レクチャーです。
来年は、小学生にも分かるような講演も含めた新たな企画を設けられたらと考えています。
小野先生と相談しながら研究会のブラッシュアップを考えていければ、など勝手に考えています。
今後は科学研究費の獲得などで、独自の運営を継続できるように研究会の運営を継続して行こうかとも考えます。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

三池秀敏
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日本時間学会では研究会の開催をサポートさせていただきます。
開催したいというご要望がありましたら、お気軽に事務局までご連絡ください。

冬至 第六十五候  麋角解(さわしかつのおつる)

にぎやかなクリスマスシーズンを終え、今年もいよいよ押し詰まりました。

さて、先日三池理事(山口学芸大学・山口芸術短期大学 学長)からの「『ほんとうの暦』2023年版」のプレゼントを受け取られました沖縄科学技術大学の杉谷茂夫先生より、コメントと沖縄の暦に関する興味深いエッセイを頂戴いたしました。
ぜひ皆様ともシェアしたく、杉谷先生よりご承諾を頂戴した上で、こちらに転載させていただきます。

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「沖縄と旧暦」

沖縄には旧暦に基づく行事がたくさんあります。代表的な例では、旧正月・清明祭(シーミー)(カタカナ表記は方言名以下同じ)・旧盆でしょうか。
沖縄本島や離島では門中(ムンチュー)という父系制社会の権化のような制度がありますが、ムンチューの共同墓での行事ももちろん旧暦で執り行われます。一族の長となる本家の家長を筆頭として、分家が集まり1年を通して行事ごとを行うのです。
例えば、シーミーは先祖のお墓の前で一族が集まり、食事をとりながら供養をする行事です。また、2023年の旧正月は新暦の1月22日ですが、お正月の祝いとしてはこちらの暦の方が沖縄では重要です。22日の旧正月は日曜日なので、ゆっくりと正月を楽しむ人も多いことでしょう。
でも近年では都市部を中心に核家族化が進むと同時に、郷里の親族と距離を置く人たちも少しずつ増えてきている中で、新暦の正月で済ます人も増えてきました。墓つながりの話題では、墓を継ぐことを止めたり、墓を移設する理由などで墓を(多くはそのまま)放棄したり、取り壊したりする「墓じまい」は、しきたり上旧暦の閏年でしか行うことができません。もちろんいつ行ってもよいことなので
すが、御幣担ぎですね。
最近では2020年が閏月のあった年で、4月が2回ありました。この年に墓じまいを行った家は多かったと思います。別の行事も紹介しますと、浜下り(ハマウリ)は女の子の行事として、まだまだひな祭りよりも重要かもしれません。ハマウリは旧暦3月3日で、およそ大潮の日です。サンゴ礁の浅瀬で大きく潮が引き、潮干狩りに絶好なのです。ともあれ、ハマウリは海での禊の一つとして分類されるようですが、例えば、出雲大社近くの稲佐の浜での禊とは趣を異にしますね。

明治政府が太陽暦の採用を1872年に公布しました。それまでは江戸時代最後に使用していた天保暦の太陽太陰暦でした。その7年後に琉球王国が日本の沖縄県設置「琉球処分」(1879)により終焉しました。これより現在の新暦が沖縄でも使われることになるのですが、琉球では中国の清朝が使用していた時憲暦を元にした「撰日通書」を作成し、使用されていたようです(沖縄県立図館.2011)。
旧暦を使う歴史も沖縄では大きく違うようで興味深いものです。

2022年冬至 杉谷 茂夫
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なお「ほんとうの暦」2023年版につきましては、ウェブ上に掲載のPDF版をダウンロードの上ご利用いただくことも可能だと三池理事より補足いただきました。
ご希望の方は下記よりどうぞ。

ほんとうの暦PDF版:RealCalendar2023v5.pdf (y-gakugei.ac.jp)

杉谷先生、三池理事、この度は有難うございました。

Merry Christmas!

日本列島はクリスマス寒波に覆われこの時期に相応しい積雪となりました。

さて、先月告知致しました、
「ほんとうの暦2023年版」のプレゼントにご応募いただき
ありがとうございました。
以下の方々が当選されました。
発送準備が出来次第お届け致します。

〇杉谷茂夫様(沖縄県)
〇野上大輔様(福岡県)
〇生田千鶴様(山口県)

「ほんとうの暦」で素晴らしい2023年の始まりを迎えられますよう
お祈り申し上げます。

学会事務局

冬至 第六十四候 乃東生(なつかれくさしょうず)

年の暮、ご多忙の中にも活気あふれる日々をお過ごしのことと存じます。

さて、このたび12月27日(火)に開催されます「第2回日本時間学会 山口芸大支部研究会」についてご案内申し上げます。
予約不要で、どなたでも自由に聴講できます(参加費無料)。ぜひご来場ください。

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第2回日本時間学会 山口芸大支部研究会

日時:2022年12月27日(火)9:30~12:40
場所:山口学芸大学・山口芸術短期大学(A棟4階・A400教室)

住所:山口県山口市小郡みらい町一丁目7番1号

主催:日本時間学会山口芸大支部
後援:日本時間学会

1.スケジュール

9:30~11:10 研究発表(発表者:5名)A400教室
11:10~11:20 休憩
11:20~12:00 招待講演(発表者:2名)A400教室
12:00~12:40 特別講演(名島潤慈先生)A400教室
発表時間:1人20分(発表15分+質疑応答5分)
特別講演:名島先生40分(発表30分+質疑応答10分)

2.発表プログラム(司会・進行:澄重 成記)

小野 隆洋(山口芸術短期大学准教授)、上村 有平
「コロナ禍における音楽ワークショップ型授業の現状と課題」

上村 有平(山口芸術短期大学准教授)
「エリクソン理論からみた幼児期・児童期における発達と学習」

周 承雯(山口学芸大学大学院生)、三池 秀敏、長田 和美、澄重 成記
「VR技術の美術教育への展開可能性の検討」

長田 和美(山口芸術短期大学准教授)
「デザインによる地域課題解決の試み~PBL教育の効果」

真田 稜也(山口大学大学院生)、長 篤志、三池 秀敏
「ロウソク火炎振動における火炎上部の境界条件の影響」

3.招待講演

長峯 祐子(宇部工業高等専門学校准教授)
盆子原遼馬、堀江裕貴、重永梨々花、山下優馬、川上祐汰、千葉元、本庄孝光、芹田眞光、中村泰裕
「気象・海洋における、動画像強調法の社会実装への初期的試み」

野村 厚志(山口大学教育学部教授)
「多数のPICマイコンの音と光による同期現象の再現」

4.特別講演

名島 潤慈(山口学芸大学教授)
「夢の観点から見た筒川嶋子 (浦島太郎) 説話 ―時間性と空間性の変容―」

発表要旨集

当日の発表要旨集は下記よりご覧いただけます。

【発表要旨集】第2回日本時間学会 山口芸大支部研究会

日本時間学会会員各位

今年の秋は暖かくお天気も良い日が続き、長いコロナ生活で溜めたストレスを晴らすかのように
日本全国で様々なイベントが復活し、楽しまれた方も多いことでしょう。
12月になって、一気に冬の気配と師走の慌ただしさがやってきました。
風邪やインフルエンザの流行も予想されていますので皆様お身体にじゅうぶんご留意なさって
この年末も乗り切って頂きたいと思います。

さて、毎年恒例となっております、三池理事(山口学芸大学・山口芸術短期大学 学長)から
「ほんとうの暦」2023年版のプレゼントのお知らせがございます。

会員および一般の方も是非お気軽にご応募をお願い致します。

::::三池先生からのコメント::::

「ほんとうの暦」は本大学「デザインスタジオみらい」のオリジナルな成果物として、2021年から制作を始めています。
昨年、初めて全国カレンダー展にも出品し、入選しています。今年は、日本の童謡・唱歌から「四季の歌」を選定し、24節気・72候の解説記事とともに、カレンダーの裏面に印刷し、内容の充実に取り組んでいます。
日本時間学会・山口芸大支部も今年は8名となり、「ほんとうの暦」も芸大支部のプロジェクトとして取り組んで
行き、「ほんとうの暦」の広報とともに、日本時間学会の広報に繋げられればとも考えています。
今後ともご支援の程、宜しくお願いします。 三池秀敏

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ほんとうの暦2023年版を3名の方にプレゼント

応募締め切り 12月10日(土)
応募先 学会メールアドレス mail@timestudies.net

当選発表は12月中旬学会HPにてお知らせ致します。

学会事務局