霜降

第五十三候 孁時施(こさめときどきふる)

昼夜の寒暖差が大きくなって、紅葉の見頃を迎えています。

今年はどんな美しい景色が待っているでしょうか?

 

さて、10月13日(金)チューリッヒ大学シュタイネック教授をお迎えして

第3回時間学国際連携会議(神戸六甲会議)を開催しました。

しとしと小雨の降る中、芦屋駅に集合したメンバーは出迎えの橋元理事のご案内で有馬温泉行のバスに乗り、

橋元淳一郎先生のご自宅(芦悠館)に到着しました。

玄関先にはウェルカムボードが飾られ、演奏会が行われるホールやお部屋を拝見し、

2Fのサロンにて、香しい珈琲を戴きながらの格調高い会となりました。

 

出席者は、シュタイネック・ラジ(国際時間学会会長・チューリッヒ大学)

    一川誠(日本時間学会会長・千葉大学)

    橋元淳一郎(日本時間学会理事)

    長谷川貴之(日本時間学会理事・富山高専)

    細井浩志(日本時間学会理事・活水女子大学)

    小山恵美(日本時間学会理事・京都工芸繊維大学)

    森野正弘(山口大学人文学部)

    エムデ・フランツ(山口大学人文学部)

    右田裕規(山口大学時間学研究所)

    平田博子(山口大学時間学研究所・進行、記録))の10名でした。

 

今回の主な議題:

1. ERC欧州研究会議採択プロジェクト「中世日本の時間意識」通称:【TIMEJ】について 

  1)シュタイネック先生より2017年9月13日(水)~15日(金):チューリッヒ大学アジア・オリエント研究所にて開催されたTIMEJ キックオフ・シンポジウムについて報告がありました。

シンポジウムでは、約60名の学内研究者に対して、中世日本の社会における時間意識に焦点を当て、禅・仏教、宮廷女性、市場経済、女性の月経を主題とした研究を行う計画を示し、7人からなる研究グループが4テーマをそれぞれ担当すること等、プロジェクトの詳細を説明したました。

研究会終了後には懇親会が開催され、日本から来訪した藤沢健太時間学研究所長を紹介しました。藤沢所長は挨拶の席上、本プロジェクト開始の祝辞を述べ、また来年度のシンポジウムを山口大学で開催することへの協力を約束し、チューリッヒ大学の副学長をはじめ、各研究者とそれぞれ懇談したことなどが報告されました。

 本会議では、参加者から、シュタイネック先生に研究目的や手法について質問があり、これに対しシュタイネック先生からは、中世の日本の時間がどういう風に記録されてきたのかを綿密に分析をすることがベースとなり、時間に関する表現や生活様式の中の時間から、時間の言及、思想、表現の仕方などを探り、そこにどのような規則性があったのかを研究したいと説明がありました。

参加メンバーからは、中世の範囲に関する質問や、プロジェクト採択の理由などが質問され、研究のアドバイスも含めてアカデミックな議論が交わされました。

 

  2)山口大学で開催されるTIMEJ国際シンポジウムの企画について

   チューリッヒ大学研究プロジェクトチーム7名が 2018年7月29日(日)~8月4日(土)までの1週間山口大学に研究滞在し、8月1日(水)~3日(金)の3日間、国際シンポジウムを実施する。

   これについて、シュタイネック先生より、3日間のシンポジウムではチューリッヒのメンバーが発表で研究紹介をし、質疑応答の時間を長く取ってじっくりと議論がしたい、また滞在中は1日4時間のディスカッションを行い、研究所や大学図書館で資料を読む時間を多く取りたい、さらに2年後のチューリッヒ大学の研究会のあとで、研究成果を1つの論文集にまとめるため、体系的に統一感があり連続性がある研究会をしたいとの要望がありました。また、日本側7名の研究者の候補者について、チューリッヒ大学側で名前の挙がった人物や研究について考察し、推薦出来る研究者の提案などをしました。シュタイネック先生からは、中世の時間意識と農業・軍事とのかかわりについて詳しい研究者について言及があり、それについても議論しました。

さらに、本プロジェクトの全体の枠組みから見て、細井先生から時間のベースである暦のあり方についてアドバイスが欲しいとの要望もありました。

研究所からは森野先生と右田先生を代表とし、森下先生やエムデ先生らも協力してシンポジウムの企画にあたることになり、また、他の参加者メンバーには、このシンポジウムで議論が深まるためのコメンテーターとしての協力を要請されました。

 

2. ISST ロサンジェルス大会 参加企画について

    1)シュタイネック先生より、2019年6月23日(土)~29日(金)の期間、

The Loyola Marymount University in Los Angeles, California にて開催される

  大会の説明があり、「Time in Variance」(時間の多様性)という統一テーマが発表されました。

   文系の研究以外にも、時間のスケールや、空間時間の捉え方など、自然科学の研究の中でも考え方の衝突があり、こういった問題意識を通して深く時間の多様性について掘り下げて行きたいとの趣旨が説明されました。2018年3月31日にエントリー締め切り、6月18日~20日までのISST理事会に於いてプログラムが決定されます。

 

2)日本時間学会および山口大学時間学研究所のパネル企画について

日本時間学会と山口大学時間学研究所が共同してパネルを提供することについて、90分のパネルで3名の発表者、共通テーマの「時間の多様性」を軸に企画を考えること等が確認されました。一川会長からは、日本時間学会理事会でも審議、検討事項とするとしました。

 

3. その他

  シュタイネック先生より、2019年のISSTロサンジェルス大会後の秋、ISSTの理事会メンバーが来日し、日本時間学会との合同理事会を山口大学で行う提案があり、一川会長も理事会に諮り前向きに検討するとしました。 

 

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芦屋駅に集合したメンバー ↑

芦悠館とウェルカムボード ↑    


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TimeJプロジェクトについて説明するシュタイネック先生


ご参加頂いた先生方、遠路各地よりご出席くださいましてありがとうございました。 

また、会場を快くご提供下さった橋元先生、芦屋駅のお出迎えから、中世のお城を思わせる瀟洒な玄関先のwelcomeboard、

エレガントなサロンで頂いた丁寧にドリップされた香り高い珈琲、

奥様とお嬢様によるピアノとヴァイオリンの圧巻の演奏と、何から何まで感激のおもてなしでした。

ご準備から大変だったと思いますが、おかげさまで参加者一同、本当に充実した「時間」を共有出来ました。
本当にありがとうございました。
 
この会議のためにわざわざ来日くださったシュタイネック先生を囲んで、「TIMEJ」プロジェクトについてアカデミックな議論が
深く交わされたことも、今回の会議のハイライトであったと思います。
改めてシュタイネック先生のご研究に賞賛の意を表したいと存じます。
 
これを機に、3団体による連携がさらに緊密にかつ円滑に進むことと期待しております。
引き続きご指導ご鞭撻の程どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 
神戸六甲会議の開催御礼を申し上げます。(学会事務局平田)

 

 

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