夏至 第二十九候 菖蒲華(あやめはなさく)
西日本は観測史上初、例年より3週間も早く梅雨明けしました。今年も猛暑が予想されます。体調管理には万全でお過ごしください。
さて、今年度の長崎大会でも会員から大変注目を集めていた、梅村麦生先生(神戸大学)からコラムを頂戴いたしました。今年度の報告では、立岩真也による死に関する論考について、文系・理系を問わず非常に興味深い発表となり、多くを考えされられました。
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会員コラム 梅村麦生(神戸大学)
このたびは会員コラム執筆の機会をいただき、誠にありがとうございます。神戸大学大学院人文学研究科・社会学教育研究分野で講師をしております、梅村麦生(うめむら・むぎお)と申します。専門は社会学で、社会学理論・社会学史を中心に教育・研究をしています。
私が日本時間学会に入会を申し込んだのは、手元の書類をみるかぎり2016年10月で、翌年2017年6月に山口学芸大学で開かれた第9回大会に、初めて参加いたしました。当時は博士課程修了後、非常勤講師や日本学術振興会特別研究員をしていた頃で、時間についての社会学的研究に取りかかっておりました。そのなかで他分野の時間研究からも学びたいと思い、『時間学概論』(辻正二監修、山口大学時間学研究所編、恒星社厚生閣、2008年)や各ホームページなどで山口大学時間学研究所と日本時間学会の存在を知り、まったく知り合いもおりませんでしたが、思い切って本学会に入会を申し込みました。入会して正解だったのは言うまでもありません。
初めて学会大会に参加したときから、アットホームで雰囲気の良い学会と感じております。それは特に、部会の合間での写真撮影や新入会員紹介、あるいは事務局の平田さんの行き届いた気配りの印象が強かったせいかもしれません。もちろん各部会のご報告や目玉の時間学公開学術シンポジウムも、とても刺激的で勉強になりました。今回の活水女子大学大会も、まったく同じ印象です。ひとえに、会長の一川誠先生を初めとする現理事や旧理事、そして何より事務局のみなさまが作り上げてこられた柔和な雰囲気のおかげで、一見でも参加しやすい学会になっております。
その後、何度か大会には参加していたのですが、初めて研究報告をおこなったのが新型コロナウイルス感染症流行後の2022年6月にオンラインで開催された、第14回大会です。報告タイトルは「「時間の社会学」の学史的再検討」。それからは毎年、「時間=時代の文学としての見田宗介(真木悠介)『時間の比較社会学』」(第15回大会、山口大学)、「「締切の社会学」試論」(第16回大会、愛知淑徳大学)、「立岩真也の死生学観」(第17回大会、活水女子大学)と、異なるテーマで自由に(自由すぎるでしょうか…?)報告をさせてもらっております。そして『時間学研究』15号では、上記の学会報告に基づく拙稿「「締切の社会学」試論」を掲載していただきました。
本学会の良いところは、前回(2024年9月)の会員コラムで栁川耕平先生が書かれているように、本当に多様な分野の時間研究に触れることができることです。私も大会のたびに各分野の最先端の時間研究を新鮮な気持ちで拝聴し、『時間学研究』でも時間に関するさまざまなご論考を拝読しています。そして自分自身の研究報告にあたっては、異分野の専門家の先生方や企業の方などから、いつも貴重なコメントをいただいております。また、ふだん参加する専門分野の学会では、同じ分野の研究者たちに聞かれることを念頭に、どちらかというともう少し“無難”な報告をおこなっているのに対し、時間学会では、むしろアイデアや試行錯誤の段階でやや“生煮え”かもしれない発表をより大胆におこなったり、あるいは研究としてはひと段落したものを、分野外へのアウトリーチを目指して報告してみたりすることができます(そんな使い方をするな!とお叱りを受けるかもしれませんが…)。いずれにしても、学際的かつ研究機関外の会員や参加者の方も多い学会ならではの良さを、多くの方が体感されていることと思います。
一会員として、今後も新しく入会される方、大会に参加される方がますます増えていくこと、そして本学会がますます発展することを、心より願っております。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

