白露 第四十四候 鶺鴒鳴(せきれいなく)

9月に入りましたが、猛暑の続く今年の夏、会員の皆様に於かれましては

ご体調に留意されご自愛の程宜しく申し上げます。

さて、今年の大会でも学会発表され、今後の活躍が期待される栁川先生より

コラムを頂戴しましたのでHPにてご披露申し上げます。

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栁川耕平(やながわこうへい)と申します。

現在は立命館大学の衣笠総合研究機構という機関で研究員をしています。哲学を研究していて、なかでも現象学が専門です。

私が初めて時間学会に参加したのは2017年の第9回大会、博士課程二年目のときでした。漠然と、「哲学の人だけではなく、いろんな分野の人と時間の話がしたい」と思い立ったのがきっかけです。特に誰かの紹介もなく、ネットで時間学会のWebページを見つけ、ごく軽い気持ちで参加しました。

時間学会の魅力は、様々な、しばしば自分の分野とは直接的には関係のない研究に触れることができることだと思います。もちろん、聞いた発表がすべて直接的に直ちに自分の研究の役に立つというわけではありません。しかし、哲学とは異なる目線に触れることで、時間に対する見方が豊かになっていると実感しています。聞いたことも考えたこともないような話を聞くことで、時間という事象を考えるための「普段は使わない筋肉」を動かされるように感じるのです。これは時間学会以外ではなかなか得難い経験ではないでしょうか?そういうわけで、新しい刺激を求めて毎年参加しています。

今年の大会では他の研究を聞くだけでなく、自分の研究、空腹の現象学的な考察について発表させていただきました。主張をかいつまんで言えば、空腹にはある種のリズムがあって、このリズムを持った空腹に対処するなかで、われわれの生には空腹のリズムが刻印されるのではないか、という内容でした。当日はフロアからも、発表後も、たくさんの質問を頂き、これから考えなくてはならないことや考えたいことをたくさん持ち帰ることができました。今回の発表した内容は、哲学のなかで考えるだけでは不十分な問題だと感じていたので、様々な方向からの意見や質問を受けることができ、とても満足しています。

研究を始めて間もない頃は、どうしても自分の分野に閉じこもってしまいがちです。もちろん、専門にとことん打ち込むことは必要で重要なことです。しかし専門に打ち込むのは、その後研究を広く展開していくための土台作りのためであるはずです。そして、研究を広く展開していく予定があるのなら、他の分野について耳学問的にでも知っておくのは有益ではないでしょうか?「時間」はとても巨大で複雑な問題です。どれか一つの分野だけでこの問題に対処するのは不可能でしょう。そう考えると、様々な立場の研究者が様々な角度から時間について議論している時間学会は、刺激的なだけでなく、時間について考えるのに最適の場なのではないでしょうか?

何が言いたいかというと、学会員の皆様、これからも時間について熱く議論しましょう。そして、時間について研究しているけどまだ時間学会に入っていない皆様、是非時間学会にいらしてください。(栁川耕平)

 

発表中の栁川耕平先生 ↓     時間学研究所の小山虎先生と ↓

日本時間学会では様々な研究分野の研究者が研究領域の垣根を越えて

交流しています。研究者以外の一般の在野の会員も在籍しています。

学会活動に興味がある方はどうぞご連絡ください。

学会事務局

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